「なんで銀行を辞めたいのか。」
当時銀行で働いていた頃の自分には、余裕が全くない状況で、ゆっくり考える時間もありませんでした。
この記事を読んでくれている方の中にも、退職を考えているけど、ハッキリとした理由が何なのか掴めていない方もいるかと思います。
そこでこの記事では、銀行を辞めたい、退職を考えているという方向けに筆者が銀行を退職をした理由(辞めた理由)と、実際にどんな理由で辞めますと上司に伝えたのか(辞め方)、どのタイミングで辞める事を伝えたのかについて紹介していこうと思います。
また銀行を退職して、想像を超える手続きの多さに苦労しました。
いざ退職をしようと思っても何をしたら良いのか、退職後の失業保険や健康保険や年金などの手続きはどうしたら良いのか。
周りの人にはなかなか聞けないしどうしようと困っている人はきっと多いと思います。
そこでこの記事では、銀行を退職した理由、退職交渉のことだけでなく、退職までの流れ(銀行の辞め方)・辞めるタイミングと退職後の保険や年金や税金の手続きについても紹介します。
この記事でわかる事
- 筆者が銀行を退職した理由
- 退職理由は正直に(本音を)話すべきか否か
- 銀行の辞め方・銀行を退職するまでの流れ
- 辞めるタイミングの正解について
- 銀行退職後の手続きで大変だった事(保険・年金・税金)
筆者が銀行を退職した理由(辞めた理由)
筆者が銀行を退職した理由は『国指定の難病にかかった』からです。
難病という事もあり、原因は不明なのですが、1ヶ月以上体調が優れない日々が続き、「これは流石に尋常ではない。」と病院を訪れた所発覚しました。
即入院が決まり、結果として2ヶ月弱入院と自宅療養をしていました。
当初は難病といえども働いている人もいるだろうし、銀行の仕事自体は嫌いでなかったので、ある程度体調が戻り次第また元気に働こうと思っていました。
そう思い職場に復帰したのですが、ある意味銀行のいい所が裏目に出て辛い思いを経験しました。
その辛い経験とは「車での営業禁止令」でした。銀行としては配慮してくれたのですが、同期や後輩が外に営業に出かける中、自分は店頭に来たお客さん対応という差に耐えられませんでした。
この記事を見てくれている銀行員であれば分かると思うのですが、営業成績と昇進スピードは比例していて、店頭対応は正直昇進が厳しくなります。
もともと銀行に入ったのも早く昇進してお金を稼ぎたいという思いもあり、昇進が絶たれる形となった銀行側の配慮に心が折れました。
とはいえ、与えられた環境で頑張ろうとも思っていたので、しばらく店頭対応の仕事に精を込めました。しかし、またも体調が悪化してしまい、緊急入院します。
『このまま働いていても昇進できるのか…』『この体で銀行員として働き続ける事ができるのか…』『辞めた所で難病という状態で雇ってくれる所はあるのか…』など、将来の事を考えては不安になる日々を病院で過ごしていました。
そして最終的な判断として退職を選びました。
- 自分が目指すポストまで昇進出来ない可能性が高い。
- なんだかんだストレスの溜まる仕事だったので間違いなく体に悪影響を及ぼす。
文字では表せられないほど悩みましたが、上記2点が決定打となり、辞めるに至りました。
普段銀行で働いていると、なかなか自分の将来の事などを考える余裕がないと思います。ただ難病という重い十字架こそ抱えましたが、そのおかげで将来の事を考え、新たな一歩を踏み出す事が出来たので、結果として良かったのではないかと思っています。
現銀行員の方で、辞めたいと思っている方は、自分の将来についてよく考えてから決めてください。筆者は時代に救われた感があり、パソコン1台で仕事をする事で、何とかなっていますが、考えなく銀行を辞めてしまうのはかなりリスキーです。
最低でも『自分のなりたい将来像』『今の体調』『銀行の将来性』『銀行員の市場価値』この辺りはしっかりと考えておきましょう。
『自分のなりたい将来像』『今の体調』は自分にしか分からない部分なのですが、『銀行の将来性』『銀行員(自分)の市場価値』に関しては以下の記事・サイトをご参照ください。
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銀行の辞め方(銀行を退職するまでの流れ)
「何月何日に辞めたい。」「何月何日から転職先で働き始める」といった事を考えていてもしっかりと退職までのスケジュールを立てていないと、希望する日にちで退職する事はできないことがよくあります。
やらないといけない事をしっかり把握して、円満な退職をしましょう。
銀行を退職する(辞める)までには以下の5ステップを踏む必要があります。
- 退職の意思表示
- 退職交渉
- 退職届の提出
- 備品返却
- 必要書類受取
退職の意思表示
- 法律では2週間前までに意思表示
- 実際は2ヶ月前までに意思表示するのがベター
労働基準法では2週間前に退職の意思を示せば退職できます。
しかし円満な退職を望むのであれば退職希望日の2ヶ月前には退職の意思を直属の上司に伝えるのがベターです。
実際筆者も辞める時は2ヶ月前に退職の意思を示しました。
会社は人員の補充や業務の振り分け等を前もって考えているので最低でも1ヶ月前には伝えることが社会人としてのマナーとなっています。
有給をできる限り消化して辞めようという場合にも、有給消化に入る前に引継ぎなどをする必要があるためなるべく早めに退職の意を伝えましょう。
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どのタイミングで辞めるのがベストか?
- 銀行で働いている方であれば、よく分かると思うのですが、4半期前は猫の手も借りたいほど忙しいです。特に営業の方はノルマ達成の為に上司に詰められ、精神的にもキツイと思います。
なので基本的に辞めるタイミングは4半期が終わった後です。つまり1月・4月・7月・10月の1〜2周目が辞める狙い目です。
退職の意思表示は2ヶ月前に行うのがベターなので、意思表示自体は、11月・2月・5月・8月にしておきましょう。
また、”誰に”一番最初に辞める事を伝えるべきかと悩んでいる人も多いと思います。
基本的には直属の上司に伝えるのが上司の立場もありますからベターとされています。
もし直属の上司との関係が良くない場合はさらに上の役職者に直接相談するのも手段の1つです。
ちなみに筆者は直属の上司に「今少しお時間よろしいですか。」と人が少ない時を見計い、別室に移動して退職の意を伝えました。
▼ 退職に不安を感じている方はこちら ▼
退職交渉
- 退職交渉は正直にするべき
- ブレる事ない強い意志が必要
- 交渉が苦手であれば、退職代行の利用も◯
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退職理由は本音を言うべきか?( 退職交渉は正直にするべきか?)
- 答えはYESです。というのも嘘をつくメリットが無いからです。
「仕事が合わない」「上司と合わない」「他の仕事がやりたい」「病気になった」「結婚する」「転職先がすでに決まっている」など、退職理由は人それぞれです。
ネガティヴ系の理由はなるべく隠して退職したという気持ちも当然わかるのですが、隠す事によるデメリットも結構あるみたいです。
嘘をつき通して銀行を退職した筆者友人は、『ネガティブな理由を隠して退職すると退職後にモヤモヤする。』『本当の理由を言っていれば今頃スッキリ働けていたかも。』と会うたびに話してきます。
筆者は病気が会社にバレていたこともあり、正直な理由で辞めたのですが、今非常にスッキリして働けています。
前に進むためにも正直であり続けるというのは大事ですね。お互いの為にも本音をしっかり伝えましょう。
退職の意を伝えると基本的に上司は待ったをかけてきます。
会社としても育ててきた人材を失うのは手痛く、できる事ならこのまま働いてほしいというのが本音です。
決断を伸ばしてしまうと自身の悩んだ挙句出した答えである退職するという意思が揺らぐ事もあります。
お世話になった会社や上司という事はこの時ばかりは忘れて、ブレる事なく自分の意思を伝えましょう。
真剣に悩んだ結果の答えということが上司に伝われば、きっと理解を得られるはずです。
上司がその場で退職を認めてくれれば、退職日の決定へと移ります。
退職日は次の職場や引継ぎや有休消化との兼ね合いがありますので上司と相談して決めることになります。
しかし退職の意思表示を早くしていれば思い通りの退職日に辞められると思いますのでなるべく早めに伝えておきましょう。
もしも自分から言い出せなかったり、交渉がうまく行かないと感じたら退職代行サービスを利用するのも一つです。
実は銀行員の退職代行利用者数はかなり伸びています。
ついに退職代行に電話相談してしまった。立つ鳥後を濁すけど、意外と簡単に銀行辞めれるかもな
— こうへい@元銀行員でプログラミング (@Kohei25255) September 13, 2019
最近「退職代行業」なる仕事が有るそうです。依頼者には、入社したての方や、大手銀行の方等がいるそうです。長年会社を勤めた経験からすると、本当にダメ会社ならすぐ辞めても良いかも知れません。
— 子犬E@起業家 (@koinu9019) May 7, 2019
- 【退職代行を利用するメリット】
- 最短で即日退職できる。
電話やLINEを通して「退職代行サービス業者」に状況や退職日などの希望や要望を伝えるだけで、退職や退職に関わる手続きまで完了してくれる。
退職代行サービスに退職代行を依頼した時点で、上司や会社の人との直接的な関わりからも完全に解放される。
- 【退職代行を利用するデメリット】
- 費用として2〜5万円かかる。
▼ 退職交渉や手続きに不安がある方はこちら ▼
退職届の提出
- 指定がある場合→会社指定の書式
- 指定がない場合→ネットに載っている参考書式
もし、会社指定の書式がある場合は、その書式に従って作成します。
特に指定がない場合は、インターネットなどに掲載されている参考書式を参考に作成しましょう。
ドラマなどで退職届をいきなり持っていくシーンがよくありますが、基本的には退職の意思表示が終わったあとで退職届を提出するのが基本です。
また退職届1度出してしまうと撤回できないので注意しましょう。
備品返却
退職届を提出し、正式に退職が受理されたら、備品を返却する準備を進めましょう。
筆者はこの準備をするのが遅かった為、保険証を退職後に郵送返却するという事態になってしまいましたので、注意しましょう。
退職時に返却するもの一覧
▼ 横スクロール可能 ▼
健康保険被保険者証(保証険) |
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身分証明証(名刺、社員証、カードキーetc) | 社員である事を証明するものはすべて返却します。 |
通勤定期券 | 退職する前に忘れる事なく精算し、返却します。 |
経費で購入した文房具や書籍 | 会社の所有物ですので置いて帰りましょう。 |
鍵(ロッカー、車etc) | ロッカーや車の中に忘れ物ないか確認しましょう。 |
制服 | クリーニングもしくは洗濯したのち返却します。 |
データ(業務に関わるものすべて) | トラブルの原因になりかねません。返却を忘れないようにしましょう。 |
必要書類受取
退職前に何を受け取らないといけないのかしっかりと把握しておきましょう。
また転職先が決まっている場合とそうでない場合で変わってくるので注意が必要です。
退職時に受け取るもの一覧
▼ 横スクロール可能 ▼
雇用保険被保険者証 | 雇用保険の被保険者になっている事を証明する書類。
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源泉徴収票 | 所得税の年末調整に使うための書類。
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年金手帳 | 厚生年金に加入している事を証明する書類。
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離職票 | 雇用保険の失業給付に必要な書類。
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銀行退職後の流れ・手続き
- 転職先が決まっている場合→転職先のマニュアルに従って手続き
- 転職先が決まっていない場合→以下の説明に従って手続き
退職後に転職先が決まっている場合は転職先への入社準備をします。
入社に必要な書類や手続きについては転職先からマニュアルとともに説明があります。
しかし、転職先が決まっていない場合はマニュアルが一切ありません。
自分で全てやる必要があるので、保険や年金の手続きがかなり煩わしいです…。
そこでここでは、退職後にしばらく働かないという選択をした方向けの退職した後の流れについて解説します。
保険
転職しない場合の選択肢は、任意継続被保険者制度の利用or国民健康保険への加入or家族の扶養に入るの3つです。
任意継続被保険者制度とは、これまで会社で加入していた保険を最長で2年間も継続できる制度です。
任意継続被保険者になる為の条件は「健康保険に加入していた当時の被保険者期間が、退職日を迎えるまでに継続して2ヶ月以上ある事」、「2年間を最大限度として加入する事」となります。
※注意事項として、退職した日の翌日から20日経過するまでに、加入していた健康保険の保険者へ届け出をすることが必要です。
もしも被保険者が退職すると、扶養を受けている家族も同様に健康保険の資格を喪失します。
しかし、この任意継続被保険者制度を利用すれば、引き続き家族を扶養に入れることができます。
国民健康保険には扶養制度がない為、家族全員分の健康保険料を払う必要が出てきますが、任意継続の場合は自分一人分の保険料でいいのです。(※会社折半だった保険料が全額自己負担になる為保険料は2倍)
また一定の条件を満たせば、家族の社会保険の扶養に入ることが出来ます。
必達の条件として「主として被保険者に生計を維持されている3親等以内の親族である事」、また「年収130万円未満(60歳以上や一定の障害者は180万円未満)であること」などが設けられています。
※ただし、扶養に入ってしまうと失業保険を受け取る事ができないので注意してください。
年金
日本国内に居住している20歳から60歳までの方は、必ず国民年金の被保険者とならなくてはなりません。
会社に所属している間は第2号被保険者となりますが、退職後は必ず「第1号被保険者」または「第3号被保険者」 に種別変更をしなくてはなりません。
原則「第1号被保険者」となりますが、条件を満たすことができれば、国民年金保険料の支払いを不要とする「第3号被保険者」になることも可能です。
第3号被保険者は国民年金への加入者の内、厚生年金や共済年金に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の主婦(主夫)が対象となります。
もしも第3号被保険者の条件を満たしていない方は、退職してから14日以内に近くの市町村役場で第1号被保険者への切替手続きをしましょう。
銀行退職後の注意点
給与の落とし穴
最後に僕が実際ハマった落とし穴を紹介しておきます。この記事を見てくれているあなたには同じ過ちをして欲しくないですからね…。
基本的に退職日を迎えるまでの未払い給与は、各社所定の給与支払日に精算された後に振込まれます。
また、退職日が給与締切日でない場合は日割り計算されるのが一般的です。
しかし、基本給などの固定給部分を前倒しで払っている会社の場合は要注意です。
僕はこれを知らず、退職後の給与支払日を待っていた為にかなり損した気持ちになりました。
入社した4月に給与を貰えたのはこういう事だったっんだなと…。
ですので会社にもよりますが、退職後の給与(基本給の部分)は貰えない場合があるという事を忘れないように覚えておいてください。
しっかりと退職前に、会社の給与制度も就業規則で確認しておきましょう。