マイナス金利の導入以後、銀行を筆頭に金融業界で転職希望者が相次いでいます。
実際に自分自身、マイナス金利時代のメガバンクで働いていたのですが、転職したくなる気持ちが痛いほどわかりました。
現にこの下のグラフがその気持ちを代弁していますよね…。マイナス金利導入以後で転職サイト登録者数は急増しています。その数10年前と比較すると5倍以上になっています…。
金融業界で働く人の転職サイト登録者数推移
※2008年度下期を1とした時の割合で表示した時の推移
出典:リクルートエージェント
つまり転職しようと考えているのは、日本中の銀行員みんなも同じと言うことです。
この記事では、このように転職を検討している銀行員の為にも【20代・30代の年齢別】に失敗しない銀行員の具体的な就職先について解説していきます。
銀行員の転職希望者急増の背景
経営を圧迫するマイナス金利政策
メガバンクの実質業務純益の推移
出典:日本経済新聞
マイナス金利が導入されるまでのメガバンクや地銀は、毎年かなりの収益を上げており、就職ランキングでも常に上位に入っていました。
しかしマイナス金利が導入されてからは、利鞘の縮小などから来る収益の低下を避けられない状態が続いていて、ランキングも遂にトップ10圏外になっています。現状の銀行は、伝統的な収益モデルが崩され、今では本業ではない投資信託や保険販売などの手数料が収益を支えると言ったマズイ状態となっています。
マイナス金利の導入以後、ボーナスが数%カットされたり、やりたくない仕事までやらされたりし、銀行員のモチベーションはかなり低下し、将来に対する不安は日々増えていっています。
今でも銀行員時代の同期によく会うのですが、「給料が全然上がらない」「将来どうなるんかな」と言った不安そうな言葉をよく聞きます。
メガバンク大量のリストラ
メガバンクグループの人員・業務量削減スケジュール
出典:ダイヤモンド・オンライン
業界を牽引しているメガバンクの人員・業務量削減が銀行員に与える影響はとてつもなく大きかったです。
これはメガバンクで働いている人だけでなく、地銀で働く人も同様です。むしろ地銀の方が収益的に厳しいところが多く、今後地銀の統廃合や銀行員の大量リストラが行われることは現実的です。
三菱UFJFGや三井住友FGは業務量の削減だけで、従業員は削らないのかと思われるかもしれませんが、実質的には従業員数はかなり減るものと思われます。みずほFGの従業員数19,000人削減の方がむしろ好感を持てる公表の仕方です。
20代から30代前半の若手銀行員がいますぐにリストラされると言うことは、無いとは思いますが、絶対にありえないとは言えないのが銀行業界の現状では無いでしょうか。
自分の友人を含め、元々将来の安定性を求めて銀行に就職している銀行員は、今とてつもない不安に駆られています。
生産性の高いAIの台頭
仕事をAIに奪われそうな職種と奪われそうにない職種
出典:The Future of Employment: How Susceptible are Jobs to Computerization
銀行で働いていた時、こう何度も思ってました。「この仕事何の意味があるのか」「この仕事は生産性が低すぎる」と。おそらく銀行で働いている人であれば分かると思いますが、実は銀行って結構無駄な仕事があります。事務面で仕事を無駄に作っている感じが否めません。
今後10年で事務的な仕事はほとんどAIがするようになるでしょう。銀行としても生産性が高く、人よりもコストのかからないAIを積極的に導入するはずです。
窓口や融資などの事務的な仕事をしている人もどんどん営業していこうとなっている銀行も多い事でしょう。実はこれも事務的な仕事はAIで代用できるから、AIができない対面的な部分をこれからはやってください。と言う意味が暗に含まれています。
また今では営業する際にタブレットを持って行く事が当たり前になっていますよね。これもできる限りAIを使って事務的な仕事を減らそうとする魂胆が見て取れます。
自分はこんな仕事をするはずじゃなかったという窓口で働く銀行員や融資を担当していた銀行員の方はこれからは営業スキルを磨かなければ、銀行では生き残っていけません。しかし自分に合った仕事と言うものが人にはありますから、事務的な仕事をこれからもやりたいという事であれば転職を検討しておきましょう。
転職市場での銀行員に対する評価
転職市場での銀行員に対する評価は高いです。
比較的高学歴で、「厳しい就職活動を通り抜けてきた実力」と「銀行で働く事で磨かれた社会人基礎力」で他の企業でも充分に活躍できると、転職市場では思われています。
また世間が銀行員に対して抱いている「勤勉さ」「真面目さ」「責任感の強さ」「ストレス耐性への強さ」「数字に対しての強さ」も採用する側の企業や担当者に良い影響を与えています。
つまり銀行員の転職市場での価値は高く(銀行員ブランド)、今現在転職しやすい状況にあると言えます。
20代銀行員の具体的な転職先
周りの20代銀行員の主な転職先は「金融業界以外」が圧倒的に多かったです。
実際僕の同期も様々な所に転職していて、具体的には「広告業界・旅行会社・IT業界・メーカー・不動産会社・コンサルティング会社・人材業界・公務員」などです。
さらなる詳細ですが、
- 20代男性銀行員:「IT業界・メーカー・不動産会社・人材業界」
- 20代女性銀行員:「旅行会社・コンサルティング会社・人材業界・公務員」
が自分の周りでは多かったです。
また、先程転職市場における銀行員の評価を解説しましたが、金融業界以外でも需要がある為に、他業界に活路を見出す人が多くいます。特にまだまだ若い20代の銀行員は他業界からも非常にモテる為、転職もしやすくなっています。
以上のような理由から20代の銀行員の多くが金融業界以外に転職しています。(※金融業界への転職者ももちろん多いです)
30代銀行員の具体的な就職先
銀行で働いている時、30代の先輩方は主に「金融業界内」で転職していました。
具体的には「ネット銀行・ネット証券・外資系銀行・外資系保険会社・クレジットカード会社」などが多かったです。
30代の女性銀行員の転職はあまり見る事はなかったのですが、家庭を持っているかどうかを問わず、30代の男性銀行員は上記のような転職先を選んでいました。
30代になると家庭を持つ人も多くなり、生活などに安定感を求めるようになります。その結果として今までやってきた仕事と真反対の仕事をする業界はなるべく避けるようになります。そした理由から今まで積み上げてきたスキルが活かせる同じ「金融業界内」で転職先を選ぶ人が多かったです。
また転職市場の評価も20代の銀行員とは変わってきます。30代になると20代のように将来性を見ての採用というよりも如何にスキルや経験を持っているかで採用されるようになります。つまりどれだけ即戦力として会社の力になるのかという観点で見られています。このような理由からも安定したパフォーマンスをすぐに発揮しやすい「金融業界内」での転職が多いのかもしれません。
中には銀行よりは将来性を感じるといった理由で、ネット系の金融機関や外資系の金融機関に転職していく先輩もいました。確かにネット系の金融機関や外資系の金融機関はマイナス金利導入以後も右肩上がりに業績を伸ばしているので、いい選択かもしれませんね。
以上のような理由から30代の銀行員の多くは20代の銀行員とは違い、「金融業界内」で転職しています。
失敗しない転職先の選び方
転職活動を退職前に行う
落ち着いて転職先を決める為にも、退職前に転職活動をしておきましょう。退職前に次の転職先が決まっていればベストです。
退職後に転職活動をしてしまうと、焦りから妥協して次の職場を決めてしまいがちになります。
銀行で働きながら、転職活動なんて出来ないとお考えの方もいるかも知れませんが、僕の友人は皆退職前に転職活動をしていました。
転職先の企業も事情を話せば、土日や日常業務終了後の時間に面談や面接をおこなってくれるようです。逆に考えれば、銀行員という人材を企業はそれだけ評価してくれているという事です。
とにかく納得できる企業に転職する為にも、焦らずじっくりと企業を選ぶ事ができる退職前に転職活動をしましょう。
口コミサイトで人間関係や社風を事前に調べておく
どんなに条件が良い職場でも、人間関係や社風が最悪では、転職失敗に終わってしまいます。
少しでも転職失敗の可能性を下げ、成功率を上げる為にも事前に人間関係や社風などを口コミサイトなどを使って調べておきましょう。
まず情報を集めるなら転職会議
僕の友人がよく使っていた口コミサイトが【転職会議】という口コミサイトです。このサイトは、国内最大級100万件以上のの転職口コミ情報を掲載しており、会員数はなんと500万人以上になります。いわゆる日本最大の「転職」に関する口コミサイトです。
サイトも非常に見やすくスマホでも使いやすいので、人間関係や社風など面接や説明会だけではわからない部分を事前に調べておきましょう。
待つだけで楽なのはミイダス
登録すると自分の適性をチェックしてくれる為、自分の「強み」を再確認できます。
また200万人以上の転職別、年齢別、学歴別の年収データが公開されており、実際に転職をした先輩の情報を無料で確認可能です。
使い方は簡単で職務経歴や経験・スキルなどを選択するだけで、あとは企業からのオファーを待つのみです。
基本的には待つ事がメインですので自分のことを再確認するには最適な転職サービスです。
転職エージェントを利用する
転職エージェントを使えば転職活動が楽になります。
転職エージェントと転職サイトの違い
転職エージェント | 転職サイト | |
求人数 | 転職サイトよりは求人情報が少ないが、非公開求人を多く保有 | 数万件以上の求人情報を保有していることが多い |
転職成功率 | 採用担当者や人事とのパイプがある分成功率は高い | 書類選考の通過率10%程度 |
日程調整 | 専属のコンサルタントが調整してくれる | 全て自分で調整する必要あり |
面接対策 | 企業に応じた対策をしてくれるケースあり | 全て自分で対策する必要あり |
両者を比べると転職エージェントの方が転職サイトに比べ、サポートが手厚いことがわかります。転職サイトは求人情報を提供しているのに対して、転職エージェントは求人情報の提供に加え、転職を成功に導く為に、転職者の様々な要望に応えてくれるという点で大きく異なります。
しかも転職エージェントの転職サポートは全て無料でやってくれる為、かなりありがたいサービスとなっています。
(転職エージェントの収入は企業からの提携料だけです。)
銀行員におすすめの転職エージェント3選
金融職への理解力抜群の転職エージェント(20代・30代どちらもオススメ)
まず1番にご紹介したいのは「マイナビ金融エージェント(マイナビエージェント×金融)」です。
マイナビ金融エージェントの特徴として、メガバンク・地銀・証券・生保出身の専任のキャリアアドバイザーが、全面的にサポートをしてくれる点です。
また、マイナビ金融エージェントは金融系の全ての職種に対応しており、転職の成功事例をもとに、より現実に則したアドバイスを貰うことが出来ます。
今まで学んだ知識を無駄にしたくない方、自分に近い境遇で働いていたキャリアアドバイザーに話を聞いてもらいたいという方は”マイナビ金融エージェント”を選んでおけば間違いありません。
具体的な転職先として「農林中央金庫」「株式会社商工組合中央金庫」「ソニー損害保険株式会社」などの金融系だけでなく、最近では金融機関での知識を活かし、非金融系の「株式会社サイバーエージェント」「ダイキン工業株式会社」「村田製作所」「アクセンチュア株式会社」「株式会社カプコン」など日本、海外の名だたる企業への転職も数多く決まっています。
マイナビ金融エージェントでは、全求人の約80%がサイトに掲載できない「非公開求人」 となっています。お望みの転職先の枠が空いている今のうちにキャリアアドバイザーに相談しておきましょう。
20代に特化した転職エージェント
20代の転職サポートに特化しているのは「マイナビエージェント」です。
マイナビエージェントは新卒3年目以内の20代の転職に特化しています。他の転職エージェントと比較しても、経験者優遇の案件より未経験でも人物重視の案件が豊富に揃っているというのが特徴です。
また、独占求人が多いこともマイナビエージェントのメリットです。なんとマイナビエージェントが公開している求人情報はわずか2割だけで残りの8割は非公開求人です。IT通信系やメーカー系などの企業で、マイナビエージェントでしか求人していない企業は多いので要注目です。
業界最大手のリクルートエージェントやDODAに比べると、まだ登録者数は多くありませんが、逆に考えると転職者にとっては大きなメリットです。キャリアアドバイザーが一人に対してしっかりと時間を注いでくれる為、カウンセリングや選考対策をしっかりと行うことができます。
以上の理由からも、親身な転職サポートが受けられ、採用担当者や人事との太いパイプを持っている「マイナビエージェント」は20代の方は登録しておくべきでしょう。
\20代銀行員におすすめはこちら/
マイナビエージェント公式サイト
30代に特化した転職エージェント
30代の転職サポートに特化しているのは「DODA」です。
DODAは、前職のスキルを活かしてより専門的な仕事をしてくれる事に期待している(未経験よりも経験者を募集している)企業が多数の為、同業種で転職を狙っている人にはもってこいのサービスです。
まさにDODAは30代銀行員で自分のスキルを活かし、「金融業界内」で転職をしようと考えている方にはドンピシャの転職エージェントです。
また求人の平均年収が高いのもDODAの特徴です。未経験者より経験者を募集しており、30代の転職に特化している為、必然的に他の転職エージェントよりも年収が高いです。日本の平均的な年収を優に超える企業も多くあり、キャリアアップも狙えるのは大きなメリットの一つです。
さらに海外企業の案件も他の転職エージェントに比べて特化している為、外資系企業に転職したい方の強い味方となります。
以上の理由からも大手・優良企業を中心に常時豊富な求人情報を掲載している日本最大級の転職エージェントである「DODA」は、30代の銀行員で転職を考えている人にとって登録すべき転職エージェントと言えるでしょう。
\30代銀行員におすすめはこちら/
DODA公式サイト